アダム・グンペルツハイマー(1559-1625)作曲の〈アニュス・デイ〉(神の小羊)
Adam Gumpelzhaimer: 〈Agnus Dei〉
です。
グンペルツハイマーについては,再び故・岳籐先生編の楽譜集より引用します。

「作曲者アダム・グンペルツハイマーは,1559年,南ドイツ,バイエルン地方のトロスツベルクに生れた。1625年アウグスブルクの高等学校の先生になり,プロテスタント,サンクトアンナ教会のカントール([...]教会音楽家の称号[...])に就任した。生涯コラールをもとにしたモテットや詩篇歌を数多く作曲したが,生存中は「コンペディウム・ムジケ」([...]抜粋曲の意)の編集,理論家として有名だった。教会音楽の作品として特に有名なのは1614−1619年に作曲された「サクリ・コンチェントゥス」([...]聖合唱曲の意)I−IIである。[...]1625年,アウグスブルクで死んだ。」(岳籐豪希訳編『教会合唱曲集I 新しい歌を主に歌え』(いのちのことば社,1983:66)
今回の曲はネットで見つけたものですが,グンペルツハイマーはカノンをたくさん残しています。
http://www1.cpdl.org/wiki/index.php/Agnus_Dei_(Adam_Gumpelzhaimer)
自筆譜や初版譜などのファクシミリが確認できていませんが,ここに掲載されているハ長調の曲を全音下げて変ロ長調にし,今の聖歌隊に合うように3声にしました。
聖歌隊も今年はカノン形式で神を賛美する曲を歌っていますが,この〈アニュス・デイ〉はメリスマという1つの音節を伸ばしつつそれに細かな音符の装飾がついた箇所がいくつかあります。
これまでにも《メサイア》などでもそうした箇所は出てきましたが,今回はそれをどう歌うかということをしっかり練習しています。
(これは,私が参加している神戸松蔭クリスマス・チャリティーコンサートでの初期バロックの練習や,リコーダーでも音を分割して装飾するディミニューションという手法が含まれた曲を練習していることが役に立っているようです)
決して易しい曲ではありませんが,私たちのために犠牲として十字架にかかられた神の小羊であるキリストを憶える曲として,内容的にも技術的にも充実した賛美が捧げられればと願っています。SDG
ラテン語 | 邦訳 |
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Agnus Dei | 神の小羊 |
qui tollis peccata mundi | 世の罪を取り除く方 |
miserere nobis | 我らをあわれみたまえ |
dona nobis pacem | 我らに平和を与えたまえ |